身代わり姫君の異世界恋綺譚
「はい。兄上と一緒に修復いたします」

従兄弟の関係だが、清雅は清重の事を兄上と呼んでいた。

「行くがいい」

「はい」

◇◆◇

清文から解放された清雅は、陰陽師寮の端の方にある真白の部屋に向かった。

――良くなっただろうか。紫鬼がいるから問題はなかろうが。

真白の部屋の前へ行くと障子がぴったりと合わさっており入りづらい雰囲気がしていた。

「真白、入るぞ?」

清雅は障子を開けると、一歩中へ入った。

真白はひとりで部屋にいた。

だがその姿を見て清雅は眉を顰めた。

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