身代わり姫君の異世界恋綺譚

襲われた真白

「誰っ? 誰なのっ!?」

大きな人影に恐怖を覚えながら真白は聞いていた。

その時、月にかかっていた雲が動き辺りを月の明かりが照らした。

「きゃっ!」

見知らぬ大柄な男性に、真白は小さな悲鳴を上げた。

目と目が合うと、その男は真白にゆっくりと近づいてきた。

「誰? 何か言ってよっ! 何の用なの!?」

何も言葉にしないで近づいてくる男に計り知れない恐怖を感じる。

真白は男が近づくたびに少しずつ後退する。

「来ないでっ! 近づかないでっ!」

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