身代わり姫君の異世界恋綺譚
「無、無理じゃ! おなごは泳がないのだ!」

赤面しながら清雅が首を横に振る。

「なんでよっ!? 泳いじゃいけない法律でもあるのっ?」

真白がむきになって言う。

「ほ、法律とはなんじゃ?」

そんな会話を紅は聞いていて呆れた顔になった。

――なんていう子なのかしら。じゃじゃ馬もいいところね。

紅は2人を呆れた顔で見てから、紫鬼を見る。

――紫鬼様……。

紫鬼は口元に笑みを浮かべて言いあう2人を見ていたのだ。

――あんなお顔は見たことがないわ……。

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