身代わり姫君の異世界恋綺譚
◇◆◇

目の前で、清雅が薄い着物一枚で川の中へ入り遊んでいる。

「つまんなーい」

真白は大きな石の上に座り、川で泳ぐ清雅を見ているだけ。

「あとで釣りをしようなー」

手を大きく振りながら言う清雅は子供のようだ。

いや、いやまだ10歳の子供なのだ。

いつもきつい修行をしているゆえ、周りには大人ばかりなので大人びてしまった。

真白はきらきらと透明度もある川を見ていると、泳ぎたくて我慢が出来なくなる。

しかも木陰一つない場所にいるせいでとても暑く、汗は全身から吹き出ている。

「もう我慢できないよっ!」

真白は我慢の限界でとうとう着物を脱ぎ始めた。

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