身代わり姫君の異世界恋綺譚
「もう逃げないでくれないか?」

「一緒に……いて良いの?」

恐る恐る尋ねる真白に紫鬼は笑った。

「当たり前だ」

「紫鬼っ」

真白は紫鬼の胸に飛び込んだ。

紫鬼に抱きしめられると、真白の力がフッと抜けた。

紫鬼の腕の中で真白は意識を失っていた。

「こんなになるまで我慢するな……真白」

紫鬼は布団に真白の身体を横たえると、華奢な身体を抱き寄せ目を閉じた。

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