身代わり姫君の異世界恋綺譚
「紫鬼、昨日清雅が来たよね?」

「ああ」

「清雅が怒って、私のことあそびめって言ったよね? あそびめって、紫鬼は知ってる?」

「ああ……驚きすぎて言葉が過ぎたようだ」

――遊び女……文字通り遊ぶ女。教えたら真白は傷つくだろう。

「紫鬼?」

「真白、どうやらお前の身体はこの世界には合わないようだ。穢れを受けやすい体質だ」

身体を起こした真白は布団の上にペタンと座ったまま、紫鬼をポカンと見つめた。

「穢れって何?」

「この世界では病気になる者は何らかの物の怪が関係している。お前が病人の側にいると、物の怪はお前に引き寄せられてしまうのだ」

「また物の怪……じゃあ、病気の人に近づかなければ良いんだね?」

良いことを考えたと言うようにポンと手を打つ。

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