身代わり姫君の異世界恋綺譚
「清雅、紫鬼はどこに住んでいるのか知ってる?」

部屋に戻ると真白は聞いた。

「紫鬼はこの屋敷に住んでいるぞ? 長い期間出掛けることもあるがな」

「そうなんだ……このお屋敷に住んでいるんだ。じゃあ、紅って女の人は?」

どうしても気になって聞いていた。

「紅に会ったのか?」

「うん。ここへ来たの」

嫌い、認めないと言われた真白はかなり落ちこんでいた。

しかもあの女性が紫鬼の彼女? 愛人? 奥さん? だと思うと余計だ。

その様子を見ていた清雅は首を傾げた。

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