他人の彼氏
本当の気持ち。
そして、彼女の呼ぶ声と
扉を叩く音が静まると

すすり泣く声へと変わり


「しんちゃん・・・
お願い、出てきて・・・」


力なく、そう言いながら
泣く声と、時折扉を叩く音
そして


「希、俺帰るけど・・・
もし、何かあったら
すぐ電話して」


そんなつとむの声が
耳に入ってくるのに、

意識は、
黒崎伸治から離れないままだ。



「しんちゃん・・・・っ・・」



そして、黒崎伸治は

扉を開ける事はないまま

私を担ぐように持ち上げると
畳まれている布団の上に
投げるように座らせ
私の顔の前に、しゃがみ込み



「さてと・・・・
藤崎希」


そう言うと
少し間を置き
うつむくと
浅くため息をつき
再び私の方を見上げた。


そして・・・・


「俺は、どうすればいい?」


その言葉に
私は、どう答えればいいか分からず
思わず目をそらし
下を向いてしまっている。

















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