他人の彼氏
焦った結果
そもそも、この方は
まだお昼前だと言うのに
仕事はどうしたのだろう。


聞いてみたいけれど
お世話になってるのにも関わらず
人のプライベートに
土足で踏み込むわけにはいかない。

やはり、ここは
聞くべきではないと
即座に判断した私は、正しかった。


なぜなら、

それから20分も経たないうちに



「はぁ~い、お邪魔さま。」


「何がお邪魔さまだよ。
おせぇんだよ、毎回毎回・・・」


明るく 楓さんの到着だ。


「ごめんね、しーんちゃん?」


「ベタベタすんな。
ほら、行くぞ」


「冷たいんだから~・・・
あっ、居候ちゃん
こんにちわ。
じゃ、またね。
いってきまぁす」


「いってらっしゃい・・・?」



何か、よく分かんないけど・・・


黒崎伸治が、こんな早い時間に帰ってきた理由が分かって

少しだけスッキリした気がする。
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