かくれんぼ

「そもそも私ら受験だってーの!」
ボフッ…

ベッドに顔を埋めると、いつにもまして眠気が襲ってくる。
そのまま私は夢の中へと落ちていった…

ふと夢の中。
誰かが私の名を叫びながら必死にしがみついてくる女がいる。
女の顔は薄暗くてよくわからない。
でも泣いているのは私でもわかった。
―……
――……
「お願い!助けてぇぇえええっ!優花!」

「うわぁああぁぁあぁぁあ!」

女は私にしがみついていた手を離した。

すると女は誰かに引っ張られたかのように向こうの真っ暗な闇へと消えていった。
一瞬見えたその顔。

彩佳だったように見えたのは…気のせい…

だったのかな…?


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