その男、小悪魔につき。【停滞中】

#005



「う、うん……」


それから千尋くんに手を引かれお店を出ると、前にはタクシーが止まっている。



「先に彩月さんのマンション行くので行き先言ってください」



「ごめんね。ありがとう」



だいぶ酔いが回ってきた……



てか気持ち悪い!!



乗り込んで塞ぎこんでいると、千尋くんが私の顔を覗きこんだ。



「大丈夫ですか?水とか買ってきます?」



「ううん、大丈夫。」



はぁ……。


千尋くんにはカッコ悪い所ばっかり見られちゃってるなぁ。



「……。」



「ん?何?」



顔を見つめてくるので横を向くと、千尋くんはポンポンと膝を叩いた。



「へ?」



「膝枕、どうぞ」



< 80 / 110 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop