我等オカ研特捜部
 放課後、

 部活のバレーボールの練習に向かう真奈美に別れを告げた私は昨日の事が頭を離れず、


 こっそりオカ研の部室に向かった。
 

 私が通う高校は校舎が幾つにも別れて建てられている。
 
 
 私はそれが許せない、

 授業の合間の十分を移動に費やさせるとは、

 勉学に全く集中出来ない!

 
 というかまあ集中なんてしないけど。
 
 
 お喋りも出来ない !

 …事もないが。

 
 とりあえず本校舎から離れた三階建て第三校舎の三階、

 一番奥の教室に彼等はいるという。

 
 部員は現在たった二名だが、

 以前の先輩方はまともな活動をしており、

 評価されていたので未だに部として認められているようだ。
 

 しかし部室は与えられず、

 臨時教室の1部屋を幽霊部員が間借りしているとの事だ。
 

 私は妙に静かなので恐る恐る開けて教室を見ると中には誰もいなかった。

 
 「真面目に部活やれよ」

 
 と帰宅部の私が言いながら帰ろうとした。
 

 しかし黒板に大きく


 「秘密が知りたければ第三校舎裏に来い」


 と書かれていた。



友子
「へったくそな字」
 

 面倒だと思ったがドアをピシャッと締めて仕方なく校舎裏へ向かった。
 

 第三校舎裏…ここはあまり人が寄る場所ではなかった。
 

 むしろこれなかった。
 

 というのも第三校舎裏には非行防止策でフェンスが張られ、

 校舎裏には回り込めないようになっていたからだ。

 
 辺りに誰もいないのを確認し、

 エイヤっとフェンスを乗り越えて先に進むがやはり何もなく、

 そのまま進むと反対側のフェンスが立ちはだかる。


友子
「おーい、オカルト研究部ー」
 

 投げやりになって呼んでみると当然返事は無い。
 

 はめられたと感じ、帰ろうとした時…


「ウーラーメッシヤー」
 

 私が声の方向に振り替えり見上げると男が縄梯子を下ろしていた。


「こっちだ」
 

 顔を出していた男が消え、

 後を追い梯子を登るとブルーシートのテントが張られていた。
 

 入り口らしき正面のシートを掻き分け中に入ると、
 
 驚く事に中は結構広い。
 

 パイプ椅子に折り畳み式の机、

 座布団にカラーボックスと小学生の秘密基地みたいだった。
 

 (凄い!)


 校舎にこんな場所があった事に全く気づかなかった私は驚いたと同時にわくわくした。


「ようこそオカルト研究部へ、

 というか良く裏の名を知っていたな?」



友子
「二年の小山友子、

 友達に聞いてきたんだけど、この場所何?」



「…ふーん、

 ここはまあ都会の死角さ」
 

 この場所は第三校舎の西側教室と東側教室の間にある階段の踊り場の上にあるという。

 
 両隣を教室の壁が挟んでいる為に入り口正面の民家からは見えないという。


小山
「でも真正面からは見られるでしょ?」



「抜かり無い、


 住んでいるのは老夫婦さ、

 
 嬉しいね入部希望者は久しぶりだ。
 
 
 俺は部長の谷口だ」


小山
「入部はしない、

 利用はさせてもらう」



谷口
「ちょっと聞き取れなかった。
 
 マネージャー希望だったけ?」


小山
「ここばらされた嫌でしょ?」


谷口
「厄介な奴が来てしまったようだ。
 
 この厄除けの札はパチもんか」


小山
「第一偉そうな喋り方だけど、

 あんた一年やろ?」


谷口
「そうです。

 ここ作るの大変だったんです。

 ばれない用に、

 力がない僕らが頑張ってこれらをここまで引き上げたり。
 
 後うち貧乏なんで」


小山
「金はいらねぇ、情報が欲しいのさ」


谷口
「彼女はいません」


小山
「突き落とそっか?

 調べて欲しい事があんにゃけど」


谷口
「野蛮だなー、何ですか?」


 私はこの時何かが始まると予感していた。


 そして先日の不思議な体験を谷口に話したのだった。 

 


 
< 2 / 52 >

この作品をシェア

pagetop