超絶危険!?ブラザーズ
「ちょ、ちょっと待ってた私まだ準備出来てない!!」

精一杯踏ん張って、前を行く結哉くんに抗議する。

振り返った結哉くんは不思議そうに首を傾げ、

「なんで?」

そう言った。


な、なんでって……

「私起きたばっかで髪ボサボサだし、着替えてないし…」

「大丈夫。可愛いから」

「……っ///」


朝からそうこと言うなっ!!

可愛いだなんて絶対思ってないくせに!


「と、とにかく!私、身だしなみ整えてから行くね」

結哉くんの手を振り払い、部屋に逃げ込む。

勢いよくドアを閉め、深呼吸してからため息をつく。



そうだった……。

私はあのイケメン狼共にバージンを狙われるハメになってたんだっけ。


あぁ~部屋から出たくないよぉ。

でもそんなことしたら後が怖い。


私は鏡の前に移動し、櫛で髪をすく。

このあと着替えて、顔洗って……


私が準備をしてる間に全員どっかに出かけてくれないかな?

なんて、淡い期待を抱いていたけど
現実はとことん冷酷だ。






「……………」

「遅いよりあちゃん~お腹ペコペコ~」

「ま、まさか……私が来るまで朝食食べずに待ってたんですか!?」

「うん」


最悪だ……。


「おい、てめぇ。俺を待たせるとはいい度胸だな?」

結斗くんなんてめっちゃ怒ってるし!


「…すいませんでした!!」

全力で謝った。

なんならこのまま土下座しようかと思った。


「いいよ~別に」

思い詰めた表情の私に、結城さんは笑顔でそんな言葉をくれた。

さすが長男!心が広い!


「だって、りあちゃんは大事なバージンを俺らにくれるんだもんね?これぐらい平気だよ」


………………

違う。

結城さんはやっぱりただの変態だと思う。
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