生徒会の恋愛事情


「煩い!
親父似の兄貴に俺の気持ちなんて分かるか!」


「何の騒ぎですか?
ドアを開けっ放しで大声を出して。」


またドアから人が入ってくる。


入学式で挨拶していた会長さんだった。


「勇也(ユウヤ)のコンプレックスが発生したってとこかな。」


華羅お姉ちゃんが苦笑しながら、会長さんに説明した。


「そうだったんだですか。
勇也、気にする事なんてないじゃないですか。
十分イケメンですよ。」


「そんな事は今は…」


「あの!」


あたしが少し大きな声を出すと、室内が一気に静まる。


「勇也さんが言ってた通りです。
あたし、勇也さんに対して失礼な事を思ってました。
ごめんなさい。」


あたしが勇也さんを傷付けて、余計な諍いまで起こしてしまったようなものだ。


ちゃんと謝らなくては。



< 13 / 385 >

この作品をシェア

pagetop