生徒会の恋愛事情

暗がりの森



結局、次の日からも巫女の代理はあたしが務める事になった。


押しつけるのは可哀想だって聖也先輩が言ってくれたんだけど、オーディションの結果、あたしが代理に決まってしまった。


しかも毎日1回ずつのはずの練習が、いつの間にか午前と午後に1回ずつに変わった。


この生徒会、仕事早すぎてそういう時間が出来ちゃったんだよね。


先輩達も光唆も尊敬するけど、ちょっと複雑な気分になる。


そんなこんなで本日合宿6日目となった。


今日は、勇也先輩が何かイベントを企画してくれたみたいだ。


その準備の為に、朝から聖也先輩が買い物に行ってる。


言い出しっぺの勇也先輩は、宿題が終わらないからお留守番になったようだ。


「勇也先輩、今日は何するんですか?」


あたしが聞くと、勇也先輩は得意気に笑う。


「内緒だ。
でも絶対に面白いぞ!」


そう言い切る勇也先輩に、あたしは期待を膨らませる。


ここは山だから海水浴じゃないし、流し素麺かな…でも夜みたいだから花火?


「沙羅ちゃん、楽しそうですね。」


「!
すいません、へらへら笑ってましたか?」


「違いますよ。
純粋に楽しそうだと思ったものですから。
僕も楽しみになってきて。」


そう言って弥先輩は、宿題に目を戻す。


恥ずかしくなったあたしは、黙々と宿題を再開するのであった。



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