生徒会の恋愛事情
「皆さん、今から生徒会規則を増やそうと思います。」
弥先輩は少し困ったように言った。
「昼食は15分以上かけて食べる事、人を心配させる程働かない事、以上2点です。
こんなの足したら先生方に怒られそうですけど。」
起きてる人全員が、賛成票を投じた。
「では採択で。」
弥先輩は優しく笑うと、生徒会規則の冊子を取り出し、ボールペンで書き足した。
「華羅だけでなく、皆さんも同じですよ!」
弥先輩はそう言ったけど、華羅お姉ちゃんの次に働いているのは弥先輩だった。
華羅お姉ちゃんは端から見てもバリバリ働いてて、良くも悪くも目につく。
だから注意しやすいし、華羅お姉ちゃんが反論しても言い返しやすかった。
でも弥先輩は…何気なく仕事をこなしている感じだ。
見てたら分かるんだけど、自分も忙しくて見てる余裕がなかったら絶対に気付けない。
そして、働きすぎではないかと言ってみたら
「会長ですし、抱えてる案件は確かに多いです。
でも皆さんがサポートしてくれてますから、実質の仕事量は然程変わりませんよ。」
と言われた。
あの時は、それ以上何も言えなかった。