生徒会の恋愛事情


やっぱり自分の番だと考えると、緊張する。


でもこの後の事を考えると、今は耐えられる。


「今年生徒会長をやらせていただきます、平井沙羅です。
まさかあたしが会長になるなんてって最初は思ってました。
それこそ不安だらけです。
でも皆さんのお力を借りながら、この学校にとって良い1年にしていきたいと思います。
よろしくお願いいたします。」


頭を下げると、皆が拍手をしてくれる。


あたし、本当に会長なんだ。


去年に弥先輩が立派に勤め上げた会長、あたしも頑張って引き継がなきゃ。


気合いが入ったところで、今日のスケジュールを確認する。


入学式の準備、片付け、見回りの担当決めに、クラブ活動の募集と予算に関する最終確認、今日も大忙しだ。


まずは入学式の準備に取り掛かる。


椅子とかマイクの配置を確認して、スピーチの原稿読みの練習をする。


今年からは保護者や新入生の誘導も生徒会がやる。


絵恋ちゃん、雪子ちゃんも今日はいいと言ったが、2人の意思で参加してもらう事になった。


初めての事で心配もあったから、人数が増えて助かった。


「僕もやっぱり誘導の方に参加しますよ。」


「ダメ、弥にぃは会長の補佐!
誘導なんてしてる暇があったら、緊張している会長の心を癒す!」


本当は弥先輩も誘導側だったんだけど、華羅お姉ちゃんと光唆の提案、そして絵恋ちゃんの後押しであたしと一緒にいてくれる事になった。



< 382 / 385 >

この作品をシェア

pagetop