生徒会の恋愛事情


あたしは恥ずかしくて部屋を出たかった。


でもまた放課後に香里奈先輩に会う事になるし、逃げたら失礼だし…


あたしはその場で小さく頷いた。


「そんな恥ずかしがらなくてもいいよ!
好きな人がいるって良い事だし、男前揃いの生徒会だもん。
全く興味なかったら、逆に心配になるよ。」


「そ、そうですか?」


「うん。
恋愛感情抜きに見てもさ、聖也さんってハーフだから見た目が外人っぽいし、クールで大人で素敵じゃん。
勇也は勉強出来ないけど…なんていうかな?
学園物の主人公タイプっていうの?
そういう漫画から飛び出してきたタイプのイケメン。
弥君は…王子様!
誰にでも分け隔てなく優しくて、丁寧で、常に色んな事考えて、漫画というより、おとぎ話から出てきたような感じ?」


確かに弥先輩ってそんな感じだと思う。


家を見たから余計に王子様度がアップしてる気もするけど、1つ1つの動作から溢れる気品とか、オーラとかも考えると、やっぱり王子様なのだ。


「で、沙羅ちゃんはどの先輩が好きなのかな?」


香里奈先輩がニッコリ笑っている。


これは逃げる事も出来なさそうだ。


でも、あたしの中でまだ確実に“恋”が成立していない。



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