生徒会の恋愛事情


「ご、ごめんなさい…」


「沙羅ちゃんは謝らなくていいよ。
こんなところで寝てた先生が悪いんだから。」


「神崎はやっぱり可愛くなくなったー!」


弥先輩はああ言ってくれたし、言ってる事も間違ってないとおもうんだけど…


「平井ちゃんは可愛いままで卒業してね!」


「はい。」


蛇持先生が寝てるのは、これで4度目だ。


いつ先生が寝ているか分からないから、今までは気を付けてた。


でも今日は、そんな事も忘れてた。


「先生、風邪引きますから床で寝るのは止めましょうね。」


「分かってるんだけど、疲れたらどうしても倒れちゃうのよね。
案外床で寝るのって心地良いし。
…さあ、ここは異常ないから次行ってきなよ。」


蛇持先生がヒラヒラと手を振るのを見て、あたしと弥先輩は保健室を後にした。


「すいませんでした。」


「沙羅ちゃんが気にする事ないよ。
普通は床で寝るもんじゃないし。」


そうだけど、でもあたしは忘れてたんだ。


昨日までならちゃんと覚えていたであろう事を。


…明日からもこんな感じだったらどうしよう。


あたしは悩まずにはいられなかった。



< 77 / 385 >

この作品をシェア

pagetop