隣の席の不器用男子。
耐えろ、私。
この授業が終われば昼休み。
「如月。俺をそんな目で見るな」
「そんな目ってどんな目ですか」
「先生を睨まないでくれ」
「睨んでません、戦ってるんです」
「そうか、頑張れ」
睡魔と戦っていて、睨んでいると勘違いされるとは心外だ。
でも応援されたからよしとしよう。
にしても眠い。
古典よりも眠い。
このままだと睡魔に負けてしまいそうだ…
うつらうつらしていると、隣からペンケースの中を探るような、ガサガサという音が聞こえてきた。
それでも順調に夢の世界へ連れていかれそうになる。
あぁ、ダメだ、と諦め掛けたとき、耳元でカチャッと大きな音がした。