ただ、名前を呼んで

小さい頃に夢見てたのは、定番だけど父親とのキャッチボール。

同級生が父親とキャッチボールする姿を横目に見た幼い僕。

祖父はよく遊んでくれたけれど、やっぱり違う。


「いくよ、お父さん!」


そう言ってボールを投げる同級生が、ひどく羨ましかった。


そんな父親への憧れが消えたのは、真実を知った時だった。

うちに父と母が居ない理由を祖父に聞いたあの時。
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