ニセ×カレ

×偽カノジョ×

「今日の練習を終わります。ありがとうございました!」

「ありがとうございましたーっ!」


はぁ…。

やーっと部活が終わったぁ…。


「みみぃ? あのね、ちょっとさぁ…。」

「どうしたぁ?」


そう言って駆け寄って来たひなは、なぜか困ったような表情をしていた。


「篠宮くんとこ、先行っててほしいんだぁ…。」

「ああ、またあれ?」


そう聞くと、ひなはこっくりうなずいて、小さな紙切れを見せた。

その紙には『部活終わったら、2年3組に来てください。』と、一言書いてあるだけ。


またいつもと一緒だ。


「送り主は?」

「山田…ナントカくん?」

「知らない人?」

「うん。聞いたことはあるけど、話したこと多分ないし…。
はぁぁ…めんどくさいなぁ…。」

「まぁまぁ、豪快にフってきなよ。」

「コイ話ぁ? あんたたち好きだねぇ…。」

「わぁ、菜緒先輩っ…。」


話に割り込んできたのは、部長の堀池菜緒(ホリイケナオ)先輩だった。

先輩はなにかと学校のうわさに詳しい。


その情報網は、あのひなを超している…!

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