ニセ×カレ
教室に戻ってくると、たいていの人は席についていて、先生の登場を心待ちにしていた。

すると急に後ろから腕を引っ張られ、誰かの胸にぶつかった。


「あ、涼太…掲示板行ってきたの?」

「それどころなわけねーだろ…?
お前今までどこにいた?

和樹といたのか?」

「え、違うよ。ずっとひなといたよ。ていうかあの人とは話してもないし。」

「ふーん…。ま、別にいいけど。
あいつの言ってたこと、マジなのか?」

「ま、マジって何のこと?」


マジって、絶対あのことだろう…。

わかってた、分かってたけど…今は話したくなかった。

話すことなんて、何にもないもん。


「わかってるだろ? 和樹との関係を聞い―――」

「俺がどうした?」


うげっ…。

なんでここで登場しちゃうかなぁ、この人…!

今喧嘩してるんでしょ、この2人。


「さっきも言ったように、こいつは俺の女なの。触んな。」

「でも、美々果は認めてなかったけど?」

「あぁ、もう認めたよなぁ? あの後話したもんなぁ?」


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