12 love storys
取り敢えず、無視することはせず
聞き返した。


「定休日、ですか?」


「いえ、正月から2月いっぱいは
閉めているんですよ。」


「そう……だったんですか……。」


「冬は雪がひどくて
営業どころではありませんからね。」


「確かに……。」


「お一人で?」


「ええ……まぁ……。」


「良ければ店、開けますよ。」


「えっ……?」


私のあからさまに不信感を抱いた
その顔を見てか


「僕の店ですから。
あっ、でもいきなり過ぎて
警戒しますよね?普通は。」





バツの悪そうな顔でその人は言った。


何だかさっき見たばかりの
悲しげな顔が妙に残っていて


「いえ、是非、お願いします。」


私は内心


不安に思うものの口からは


その言葉が出てきた。






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