12 love storys
「なあ?これから俺も大学入って就職して、そしたらもう先輩も後輩もねぇじゃん、もしかしたら、俺の方が先に出世するかもしんねぇし。仮に同じ会社にいたら、あんた俺の部下だ。」


「すごい自信ね。」


「そう思わなきゃ、やってらんねぇょ……。」


掠れる声で彼が言った。


「えっ……。」


「ひでぇ話だよ。たった一週間の差だけで、俺は頼りないいつまでたっても年下の彼氏って訳。」


「どういことよ?」


「やっぱ、気になんだよ。あんたの周りには俺よりも年上のしっかりしたやつらが、いるわけだろ?当然、このままだと俺より先に社会人にもなるだろうし。俺がいくらがんばったってさ……。」


「つまり…………自分が年下だってこと気にしてるの?」


「そお、だけど?」






フフっ
なぁんだ、
結局、私達は似た者同士か。


その時、
春の穏やかな微風が私達の頬を
かすめていった。


「ねぇ、私、お団子食べたい!」


「な、なんだよ、いきなり……
ガキみてぇだな。」


と、言いながら
漸く私の体を解放する彼。


「いいじゃん、ガキでも年上でも、
花見と言えば団子なの!」


「何だよ、それ」


と、言いながら私の手を取る彼。


もう、どっちだっていい、
歳が上だろうが下だろうが、
こうして手を取り合って歩けば、
関係ない。


時には私が彼を引っ張り、
時には彼に引っ張られ、
互いにフォローしあって、
行けばいいんだと思う。


二人が行く、
この道が永遠に続くことを
願って……。







また、微風がふわっと吹き、
沢山の桜の花びらを散らせた。
ふぅわり、ふぅわりと……。















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