12 love storys
布団をガバッと捲り
渾身の蹴りを入れて
私のベッドから落とす。


ドタッ……


「寒ぅいぃ~。」


コンノヤロー……。
そこは寒いじゃなくて
痛いっつーのが普通だろが……。


明らかにサイズが小さい私の
ピンク色したジャージの上下を
手も足も寸足らずのつんつるてんのまま
着ているやたらとデカイのが
部屋の真ん中に転がっている。


「ちょっとぉ、何度言ったら分かるのよっ!
あんたの寝場所は下、下でしょ?
そこの隅。そこにクッション並べてるじゃん。
それ使って寝なさいよ!」


「だってぇ……窓際で寒いじゃん。
それにどう見たって
クッション二つじゃたりないよぉ。
何よりも人肌って落ち着くんだよねぇ。」














「はぁ?何、調子に乗って言ってんのよ。
そんなに人肌が、いいんなら、
だったら、全力であんたのこと
温めてくれる子の所にいきなさいよ。
あんたの顔ならそれくらいいるでしょが?」


「ダメだよぉ~。
真智子さんの太股がベストなんだもん。
何て言うか……その弾力?
両手をビシッと挟み込む圧力?
ムッチリとさぁ、その存在ーーー
ウギャッ」
















「今すぐ出ていきやがれぇ~っ!」

手元にあった枕を顔面目掛けて
思い切り投げつけてやった。









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