俺様の熟した恋の実~10years~
運命と永遠



【羽音side】



キレイな水色の寒空の下、あたしはマフラーをぐるぐる巻いて縮みながら帰る。


まだ秋なのに手がかじかむほど寒い。


「じゃあ、また明日ね。いつも送ってくれてありがとう涼雅」

「お前バカだから、変なヤツにすぐ着いてくタイプじゃん。危なかっしい」

「小学生じゃないんだから~!」

「うるせー。風邪引くからとっとと家帰れ」


涼雅があたしの右手を離す。


いつもそう。


また明日会えるって分かってるのに、この瞬間寂しくなる。



「……また明日な。あ、明日の朝数学の宿題写させて?」

「うん!数学頑張ろ~。バイバイ?」

「ん。バイバイ」


あたしは涼雅の背中に手を振る。


外は寒いはずなのに、涼雅と話せば何だかポカポカするんだ……。


< 216 / 310 >

この作品をシェア

pagetop