Secretな関係




また部屋に静寂が訪れる。


「…もう、止めにしようか。俺が親父に言っておくから」


「止めにって…何…を」


何のことを言っているのかなんて直ぐにわかった。

けれど、確信を持ちたくなくて…裕也の言っている言葉が聞き間違いなら良いのにと思った。


「一年契約も付き合うのも…」


「どうして…?嫌だよ」


「いいよ。そんなこと言わなくて…それは罪悪感から?情けのつもりか?」


勢いよくかっと責められるようにそう問いただされる。


罪悪感?情け?


「ごめん。言い過ぎた…俺頭冷やしてくる」


そう言い家を出たきり、裕也が帰ってくることは無かった。
< 316 / 370 >

この作品をシェア

pagetop