Secretな関係

屋上




保健室に行くなんて言って屋上で授業をさぼる私と裕也。

目が腫れちゃっていて教室に戻りたくなかったし、裕也とちゃんと話がしたかったのと…なにより、今は離れたくなかった。



「俺…勘違いしてて…ゆあはまだあいつのことが忘れられていないんだと思ったんだ」


座り込み、手をつないで話を聞く。

話をするたびに裕也の手に力がこもるのがわかった。


「それで、家出て…俺ゆあの為に身を引こうと思ったんだ…でも無理だった。忘れられることなんて出来なくて…自分から家出たのに後悔してて…」


「私もちゃんと話していれば良かったんだよ…もっと周りに話しておけば良かった」


こんな風になるなんて思っても見なかった幸せの先だったから、この離れていた期間がお互いに辛くてしょうがなかったんだね。


「これからは…絶対悲しませないから」


「うん…離れていた間によく分かったからね。私たちは離れちゃだめなんだよ」


そう言った時きらりと裕也の胸元に光るネックレスが。


「あ!本当に私のこと忘れられなかったんだね」


ついふふっと笑ってしまうと、かあっと耳まで赤くなる裕也。


「当たり前だ」


その言葉にまた胸がきゅーっと締め付けられたよ。
< 344 / 370 >

この作品をシェア

pagetop