最後の願い 〜モテ男を惑わす地味女の秘密〜

ま、いいか。


とにかく始めようと、再び恭子さんに伸し掛かっていったら、


「ちょっと待って」


またもや止められた。今度は何だ?


「電気を消してちょうだい」

「えー、何でですか?」

「恥ずかしいから」


恥ずかしいって、処女でもあるまいし……

と思ったが、それは口に出さず、俺は立ち上がって常夜灯だけにした。ところが、


「それも消して」


と恭子さんは言った。


「真っ暗になっちゃいますよ? 俺、暗いのは苦手なんですよね」


それもあるが、何よりも相手、つまり恭子さんが見えなくなる事が俺としては困る。セックスは、相手の子を見ながらしたい派だ。男はみんなそうだと思うが。


「お願い……」


出たよ、恭子さんの“お願い”。しかも泣きそうな顔をされたのでは、言う通りにするほかない。


「わかりました」


そう言ってパチっと常夜灯も消すと、部屋はたちまち暗闇に包まれた。


「ブラインドを上げていいですか?」


そうすれば月明かりが入るはずで、少しは明るくなると思ったのだが、


「イヤ」


却下された。

俺としては大いに不満だが、ま、仕方ない。手探りで恭子さんに伸し掛かると、俺は速攻で彼女の口を俺の口で塞いだ。

見る楽しみがなくなっては、後は触感を楽しむしかない。

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