最後の願い 〜モテ男を惑わす地味女の秘密〜

定時を過ぎ、俺は早々に仕事を片付け、「お先です!」と主任やみんなに言って職場を飛び出した。少しでも早く家に帰りたいからだ。


というのは、夕方、恭子さんからメールが来たんだ。具合はだいぶ良くなったから、晩ご飯を作って待ってるから、と。


俺は帰りながら、ひとりでに顔がニヤけてしまって困った。このところ、俺は恭子さんの気持ちがわからず落ち込んでいたが、莉那先輩からのアドバイスのおかげで、今はすっかりハイテンションだ。


よーし。帰ったら恭子さんに言おう。好きです、と。愛してます、と。その流れで、プロポーズしちゃおうかな!


恭子さんはそれに応えてくれるだろうか……

いやいや、ネガティブになっちゃダメだ。きっと応えてくれる。恭子さんも俺を好きに決まってるさ。田上も莉那先輩もそう言ってたじゃないか。

たとえ深層心理には、中嶋さんがまだ居座っているとしても……


アパートに着いて見上げれば、当然だが俺の部屋に明かりが点いていた。よし!

俺は階段を一段飛ばしで駆け上がって行った。

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