初恋

知花桜

中野君に呼ばれて、私は 給食室の裏にいった。
そして中野君は、

「あのさあ俺達付き合わない?!」

突然言い出したのだ。
私は驚いて、口をパクパクした。

「知花。ダメかな?俺は本気なんだけど。」

中野君の問い掛けに私は まだ答えられなかった。
うん。と言えば良いのに 私はなぜか言えなかった…北山麟君…彼のせいじゃなくて…ようやく判った。
私は好きになって成熟して、失うのが怖かったからだ。

足が震えてきた。
倒れそうになった。
倒れかけた私を中野君が 私を支えてくれた。
< 44 / 48 >

この作品をシェア

pagetop