焦がれて



「えー」
 

余りにも申し訳なさそうなマイの姿に、態とらしく不満気な声を出す


そうすると案の定困った顔をするマイ


「今日は約束あるから」


「またあの幼馴染か!いっつも私のマイの時間邪魔するんだからー。まぁ、せいぜいイチャついて来なよ」


拗ねたふりをすると、今度お菓子買ってあげるというマイの言葉


ふふ、それを待ってたのだ


まぁマイは気付いててあたしの演技に付き合ってくれてるんだけどね



それはともかく、ということは今日の帰りは一人という事である


図書室に寄ってから帰ろう


マイはよく幼馴染君と帰るから必然的に私は一人になるわけで、一人の時は図書室に寄って帰るのが日課だ



授業が始まればまた彼を観察する



彼、私の想い人である田嶋くんはどちらかというと可愛い系の顔立ち


身長は結構高くて、だけど身体の線が細いため男というより爽やか青少年という感じ



中身は、あんまり知らない


喋ったことはないから教室で遠目から見ている範囲でしか知らない


でも教室で見てる限りじゃよく笑ってる




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