最低で構わないから~好きと言えずに時間は流れる~
会えば、あの夜の事も、会えなかった数日の寂しさも消える。

井ノ原さんが言ってた“安眠効果”は、彼にもあった。

過去にあんなにもぐっすり眠れた日はない。

都合が良いようだけど、夢の中でも幸せだった。



「お前、ホンマもんのアホとちゃうか」



「アホな女も良くない?可愛くない?」



「……さぁ?どうだろな」



腕に掛けてたコートを着させられながら、おどけて見せると笑みを浮かべてくれた。
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