キミ、カミ、ヒコーキ

★3

「いっただっきまーす!」

俺とユージはそれぞれ、カツ丼と天丼にかぶりついた。


1日の中で一番幸せで楽しい食事の時間。朝は大抵食わねーかマルちゃんたこ焼きだし、夕飯だって……


「おいツバサってば。何ボーっとしてんだよ。食わねーならそのカツ一切れもらっちゃうぞ! あーんむ」
 
「えっ? って、ああっ! バカ! それ一番肉が厚くてうめぇとこじゃねえか。返せ!」


「ごっくん」


「!!!!!!」

「あはははっ。代わりにお前に朗報があるぞ」


ユージはそう言うと、携帯の待ち受けディスプレイを俺に見せた。そこにはいつもとなんら変わりない、彼女と撮ったプリクラ画像がある。

「なんだよ。またアイちゃんとのノロケ話か? カツ丼一切れよりも価値のある話なんて、お前の口からなぁ……」

「帰ってくるんだよ。あの人が」


ユージは歯に詰まった天かすをチラ見させつつも笑いを浮かべ、携帯をカチカチと操作した。

そして、ある一通のメール画面を俺に見せた。
< 54 / 54 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

屋上にて、君へ
+mAnAm+/著

総文字数/24,358

青春・友情60ページ

表紙を見る
○●雨色ドレス●○
+mAnAm+/著

総文字数/44,064

恋愛(その他)97ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop