【BL】――、呼ぶ声がした。
手を伸ばしながら醒めた夢。
飛び起きた体は汗でぐっしょり濡れていた。
「…ッハァ………」
一体何を求めていたのか。
一体何を探していたのか。
目が覚めるといつも夢の内容を忘れる。
「……どうしたの?」
隣から聞こえてきた声に、俺は視線を移した。
茶色の髪をした青年がその大きな瞳を眠たそうに擦っている。
「悪い夢でも見た?」
「…いや、何でもない。」
掻いた汗を流そうと俺はベッドを抜け出す。