サラリーマンくんとわたし
<プロローグ>
「やっぱり、俺たちわかれよう」


『そっかぁ・・・。分かった・・・』


「俺は本当に怜美が好きだったよ。じゃあ、元気でな・・・」


彼はそう言って私に背を向けたまま帰っていった


その背中がとても悲しそうに見えた


『まただ・・・』


夏の公園は暑い・・・


9月の終わりなのになんでこんなにも熱いのだろう


公園のベンチに残された私はアスファルトからこみ上げてくる熱が私一人に集中しているようだった



罰だとでも言うように・・・


ジリジリと熱風を送ってくる



木も風でゆらゆら揺れながら私に何か言っているように聞こえる



ザワザワザワッ


彼氏がかわいそう。

あんなに優しい人ほかにいないよ。

彼氏悲しそうだったよ。

あんなに尽くしてくれたのに。



この公園はわたしを責めている



私だって好きだった・・・



やさしいあいつが好きだった・・・










でもね・・・











でもね・・・










それは・・・









人として好きだっただけなのかも・・・








私だって好きになりたかった・・・



あいつの気持ちに答えたかった・・・


いい所たくさん見つけて好きになろうとした・・・


そのことで悩んだり苦しんだりもした・・・


でもね。




あいつの側にいても・・・






ドキドキしないんだよ・・・





ごめんね。






ごめんね。







こんな最低な私と付き合わせちゃってごめんね。
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