ラブバトル・トリプルトラブル
 放課後。
いつもより早くグランドに向かう直樹と大。

それを見つけ、こっそり後をつける秀樹。
物影から見ている。


「何だって!」
突然大声を出す大。
慌てて、口を塞ごうとする直樹。
何事かと思い、駆けつける秀樹。


「秀、聞いてくれ、こいつひどいんだ!」
大は直樹の手を振り払いながら叫んでいた。

直樹が大の口を塞いだのにはわけがあった。
秀樹には聞かせたくなかったのだ。


美紀が好きだと言うことをとうとう大に打ち明けてしまった直樹。

いずれはバレると解っていた。

でもこんなに早いとは……

直樹は戸惑っていた。




 「こいつ、美紀ちゃんのこと好きになったって言うんだよ」

大がわめきちらしている。
直樹は俯いたままじっとしていた。
秀樹だけには知られたくなっかった。
大に打ち明けてしまったことを後悔して項垂れていた。

まともに秀樹を見られるはずがなかったのだ。


「いいじゃないか。何も問題ない」
秀樹の言葉に直樹は驚いて思わず顔を上げた。


「あるよ! お前ら兄弟じゃないか」
大は秀樹に詰め寄った。


「実は昨日、美紀が兄弟じゃないと分かったんだ。そこで俺も宣言する。俺も美紀のことが好きだ!」


「何ー!」
秀樹に詰め寄る直樹と大。

それは、兄弟&親友同士の恋のバトルの始まりを告げるゴングだった。




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