好きだったよ、ずっと。【完】
「こっち向けよ」



「それは、断る…」



春夜の声が、息が、耳にかかり体まで火照ってきた。



「へぇ~。じゃぁ、朝からお前喰っていい?」



「だ、だめっ!!」



「なら、こっち向けよ」



……っ。



このまま喰われるか、春夜の方を見るか…。



そんなの決まってる。



はぁ…、と一つ溜め息を吐き、わたしはゆっくりと春夜の方を振り返った。



「これでいいでしょ」



「あぁ。じゃぁ、次。キスして」



なんなの、コイツ…。



「ほら、朱里。キスか喰われるか、どっちがいいの」



「分かってて言ってるでしょ」



「さぁ」



もうっ!!どうにでもなれっ!!



わたしはポフンと春夜の顔を両手で挟むと、グイッと顔を寄せキスをした。



「だめ、まだ」



離そうとしたわたしの体を抱き寄せると、激しい深いキスがわたしを待っていた。
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