好きだったよ、ずっと。【完】
「まえだー、いいのかよ」



「なにが」



腕を組んで歩いていると、上から声がした。



わたしは「何のこと?」というように返した。



「お前、木ノ瀬のこと好きなんじゃないのか?」



「……っ」



単刀直入に聞かれた言葉に思わず足を止めた。



「やっぱり…、な。だったらこんなこと……」



「いいのっ!!」



「あ?」



間宮くんが喋ってる途中、わたしは叫ぶようにして間宮くんの言葉を止めた。



「好きだよ…、春夜のこと。でも春夜は璃香が好きなのっ。もう、ずっと…。わたしが入る隙間なんかない。春夜の瞳に、わたしは映らないんだよ」



そう…、最初からわたしなんか対象外だった。



そんなこと大学時代から分かってたことだったじゃないのっ。
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