sweet wolf
あたしの席は、やっぱりいたずらされていなかった。
これは狼からの圧力のおかげ。
だけど、どうして……
無限ループがあたしを襲う。
春樹、直樹、そして陸斗の顔が浮かんでは消えた。
そんな中、
「陸斗!おせーんだよ、てめぇ。
今登校か?」
後ろの不良軍団が騒ぎ出す。
陸斗という言葉に反応して、思わず後ろを向いてしまうあたし。
あたしの視線は、後ろのドアの前に突っ立っている陸斗とぶつかった。
そのメッシュの髪を靡かせ、ダルそうに鞄を持ち、どかっと椅子に腰掛ける。
陸斗は一瞬あたしを見て、慌てたように目を逸らした。