sweet wolf
そんな蓮をボーッと見ていると、
「悪ぃ。野暮用だ」
蓮の殺気はすっかり消え失せ、いつものように淡々とあたしに告げる。
蓮、もう行ってしまうのか。
何だか寂しいな。
すっかり乙女になってしまったあたしがそんなことを考えていると、
「携帯」
蓮が携帯をちらつかせる。
どうやら出せと言っているらしい。
言われるままに、真新しいスマートフォンを取り出すあたし。
「何かあったら連絡しろ」
そう言って、蓮はあたしにデータを送ってくれるようだが……
「何、これ!?どうやるの?」
スマートフォンを使いこなせないあたし。
当然データのやり取りなんて、高度な技は出来なくて。
「……はぁ!?何してんだ」
あきれたように蓮が手を伸ばし……
あたしの手に触れる。
どきん……
心臓が大きく脈打った。
触れている部分が熱を持ち、あたしが焦げてしまいそう。
もっと……
もっと蓮に触れたい。