sweet wolf

逃げる狼









「くっ……」




残されたあたしは拳を握り、春樹の消えた扉を睨んで震えていた。




「くっそぉ!!」




みんな、あたしを馬鹿にしやがって。

蓮も、直樹も、春樹も!!




結局蓮はあたしを見て楽しんでいるだけだし、直樹はお節介だし。

春樹に至っては、完全に邪魔者扱いだ。






あたし、狼に入ってやったのに。

だけど、結局あたしなんて必要なくて。

誰にとってもただのお荷物なだけで。

その現実がとても辛かった。




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