sweet wolf
「蓮……」
その名前を呼ぶと、再び唇を塞がれた。
さっきよりも強く、そして、荒っぽく。
微かに空いた隙間から、舌が侵入して。あたしの口内をかき回す。
「ふっ……」
息ができなくて、苦しくて。
もがくあたし。
身体が甘くて熱くて、とけてしまいそう。
あたしがあたしじゃなくなりそう。
変な気分。
蓮、他の人にもこんなことしてるんだ。
こんな顔をして、女を抱くんだ。
身体は熱を持っているのに、心が寒い。
これでセフレと同位置に立てたはずなのに、何故か怖い。
これ以上、優しくされたくない。
蓮が甘いことをしたら、それだけあたしは辛くなる。