sweet wolf






教室に入っても、状況は変わらなかった。

いや、さらにひどくなっている。




不良グループも、女子グループも、真面目グループでさえあたしを見て話をする。

陸斗と目が合ったが、慌てて逸らされた。

嫌な男だ。






そして、極め付けは……




「おはよ、直樹」




いつものように挨拶をすると、




「お……おはよ……」




なんと奴は紅くなり、あたしから目を逸らすのだ。




直樹は味方だと信じていた。

直樹はあたしの近くにいてくれると思っていた。

そんな直樹まで……



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