sweet wolf





「女だからってナメんなよ」




あたしは、有頂天になっていたのかもしれない。

少し優位に立ったからって、調子に乗っていたんだ。






ニヤついたあたしの顔は、瞬時に凍りついた。

視界の端を、さっと黒い影が横切ったから。

それが何か分かる前に、あたしの頬に激痛が走り、身体が宙を舞った。

口の中から血の味がする。

続いて背中にも激痛を感じ……

あたしの意識は遠のいていった。




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