sweet wolf
「俺のことは心配するな。
こう見えても、柔道の有段者だ」
じ……柔道の有段者?
この、ひょろひょろの春樹が!?
人は見かけによらないとは、まさにこういうことだ。
呆然としているあたしに爽やかに手を振り、春樹は消えていった。
あたしはそんな春樹の背中を眺めていた。
柔道の有段者。
それはすごいこと。
だけど、武道と喧嘩は違うかもしれない。
ウザいけど、困った時は助けてくれる春樹。
そんな春樹の無事を祈っている。