sweet wolf
思わず声を上げていた。
美里は敏感に反応し、しーっと唇に手を当てる。
そこまでして周りに知られたくないのか。
いずれにせよ、そんな自己中軍団なんて、あたしには関係ない。
あたしを潰しにかかるなら、受けて立つ!!
「大宮先輩。
あの人は狼に属してはいないって噂だけど、本当に恐ろしい人だよ。
狼でさえ、大宮先輩を恐れているって噂。
彼こそまさに一匹狼ってみんなが言う」
「へぇ……」
「岡島君は……」
「?」
「岡島君のお兄さんの、春樹先輩。
春樹先輩は……
狼だって噂がある」
直樹の兄貴が?
まぁ、仕方ないか。
直樹自身も陰険そうだし。
あたしはははっと乾いた笑いを放った。
「もう!
杏奈、全然危機感ない!」
危機感?
そんなもの、微塵もないよ。
狼だっていっても、所詮相手は生徒でしょ?
あたしを狙うなら、返り討ちにしてやるよ!!