レア男子


誤解を与えるような発言は慎んで欲しい。



「…あーあ、挨拶したいなぁ」



ベッドに座り、項垂れると、ポン、と肩に置かれた手。


見上げると優しく笑う俊と目が合った。



「しゅ…」

「落ち込むとか、ウ・ゼ・エ☆」



…………。



「酷ーい!友達なら励ましてくれても良いじゃん!薄情すぎるー!もっと友達を大切にし《ガチャ》」



!!!!????




バッと扉を見ると煙草を加えた保険医が立っていた。



「あーあー、翼、ドンマイ☆」

「……クッ!」



爽やかな笑顔に戻った俊が憎い。

ポカンと僕を見る保険医が憎い。



「……あ、れ。南城…君?だよね?え?」

「……はい。何ですか?」

「あれれ?…私、幻覚&幻聴を体験したわ…?」



下がっていた眉をあげ、目を細くして保険医を見れば頭にハテナが浮かんでいた。



よし、なんとか誤魔化して逃げよう。


< 5 / 10 >

この作品をシェア

pagetop