総長からの「愛してる」Ⅱ



やられた。



確かに、このタイミングで返事をすることには意味がある。



俺がこれ以上、龍嵐に余計なことを吹き込ませないようにする、予防線だ。



正義のある人間が、この局面で好きな女に振られて、これ以上何かを仕掛けようとするはずがない。



美愛を手に入れた今、相手に危害を加えれば、それは悪だ。




なんていったって、俺たちの宣戦布告は、そういう約束だったから。



ーーー『美愛、迎えに来た。』




「俺たちの宣戦布告を利用したのか。」



『ごめんね。
悠に恩を仇で返すことになるのはわかってる。


罪悪感に心が潰されそうだし、こんな最低な返事が人間として許されるわけがないよね。


それでも私は、この道を選ぶよ。』



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